ところが自我には、拾い上げた情報に自己同化してしまうという
ちょっと、こまった性質もあります。
たとえて言うなら、拾い上げた情報に勝手に自分の名札を
つけてしまうということです。しかし、これはこれで必要な本能でもあります。
自分という名札をつけることで、
情報を自分という入れ物に収めることができます。
本能が用意してくれるのは自分という名札だけなので、
本能的に身につく認識能力も、自分という枠に限定されます。
こうして自我は成長し、認識能力が身についていきますが、
同時に自分という枠に制限されていくことになります。